2016年02月12日

気持ちの代弁者

エリカの花
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高齢者が認知症だと診断されたら、その人の言うことはそのまま鵜呑みにしてはいけないのでしょうか。

私が1年半、傾聴ボランティアとして関わっている高齢者が、数ヶ月前に病院で検査を受け、認知症という診断を受けました。
彼女は息子夫婦(二人とも働いている)と同居ですがコミュニケーションがうまくとれず、常に疎外感を感じながらも、世話になっているという負い目を感じて小さくなって暮らしてきました。
私が訪問してお話を聞くと、どこかでいつもその寂しさや不満、やるせなさみたいな気持ちが感じられました。

認知症の診断を受けてから、彼女の介護度は上がり、介護プランは変更になったようです。
昼間、一人で居る時間がよくないと判断されたようで、週2回、デイサービスに出かけるようになりました。
彼女が語るには、デイサービスは全く楽しくなくて行きたくないのだけれど、行けと言われるので仕方なく行っている。
デイサービスでお風呂に入らなくてはならないのが苦痛なのだけれど、嫌だと言うとわがままだと言われるので、やはり仕方なくお風呂に入っている。
彼女の言い分をどうとらえたらいいのでしょう?
傾聴ボランティアとして、彼女の気持ちを汲んだら・・・私の気持ちは複雑です。

彼女を担当しているケアマネージャーと電話で話をしました。
ケアマネさんとしては、ご本人の気持ちは察してはいるけれど、医者の診断やご家族の話の方に信頼を置いているという印象を受けました。
私はとりあえず、これまで本人から聞いた気持ちを伝えてはみましたが、それがどこまで信頼できるものとして扱われるのか分かりません。
実際にケアマネさんに会ってお話をする約束をしました。
私の正直な気持ちとして、本人の代弁者として、できるだけのことをしたいと思っています。
posted by 幸 at 20:12 | Comment(0) | 傾聴ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年02月09日

福祉の中の傾聴

道祖神
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私は傾聴ボランティア活動をしているので、社会福祉の世界に少しだけ関わっています。
今日も傾聴ボランティア団体の集まりで「ケースワークの原則」についての勉強会がありました。

ケースワークとは、精神的・肉体的・社会的な生活上の困難をかかえる個人や家族を援助する社会福祉援助技術のことです。
ケースワークの中にある傾聴ボランティアの役割って何だろう?と考えると、本当に難しいです。
そもそも、傾聴ボランティアという存在が、実際の福祉の中で正確に認知されていない現実があります。
介護施設やケアマネージャーの考え方も色々です。
そしてまた、傾聴ボランティアをする側の考え方も色々なのです。

ただ、私自身がこれまで経験してきた数少ない傾聴ボランティアの経験から感じることは、傾聴訪問して過ごした時間というのは、その方にとっても私にとっても楽しい時間だったということ。特に体が不自由だったり部屋にこもりがちな高齢者にとっては、介護や介助を受けることも必要だけれど、自分にしっかり向き合って話を聞いてくれる人がいることもまた生活の充実という点で大事なことだと思います。ただその充実を提供するだけで充分に意味ある活動だと思っています。
ケアプランを立てる時に、本人の心の代弁者としての役割を背負ったり、その人にとってどう支援するのがよいのかということに関わったりする活動とは、ちょっと違った位置にあるものではないかと思います。福祉の中では異色な存在だと感じます。

勉強会の時、隣に座っていた私たちの会の代表が、「とにかく楽しくやればいいよ」と笑っておられたのですが、私も全く賛成です。
posted by 幸 at 20:57 | Comment(0) | 傾聴ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年02月08日

ぴかぴかフォーエヴァー

北鎌倉のつるし飾り
北鎌倉のつるし飾り.jpg

今日、傾聴ボランティアとして訪ねた高齢の女性は難病で殆ど寝たきりです。
細い指に血管が浮き出た小さな手を出して、手の動きがだんだん悪くなってきた、と彼女は言いました。
前はすごく早口で喋ってたのに、今はゆっくりしかしゃべれない、とも言いました。
病気が進行しているのを感じる、と語った彼女は、真剣な顔で「これからどうしたらいいと思う?」と私に尋ねました。

私は言葉を失っていました。
「・・・辛いですね」と言うと、黙ってうなづく彼女。
「でもね、私もいずれ年老いて体も弱っていくと思うけど、外側がどんなであっても、心の中は穏やかで幸せでありたいと思ってるんです。」
彼女は静かにうなずいて、「ほんとにそうね。」と言いました。
私は続けて言いました。
「ねえ、若い頃の心の中と、今の心の中って、何か変わってると思われます?私、20才くらいの時と何にも変わってない気がするんですよ。外の状態が変わっても、ずっと死ぬまでそのままでいたいなあと思って」

彼女は若い頃の話を始めました。社交的で明るくて遊びまわっていた楽しかった頃の話が次々と出てきました。渋谷のナイトクラブでダンスをした時の話になると、声も大きくなりました。
「まあ素敵!その時の気持ちってピカピカですよね。」と言うと、「ピカピカ」という表現が気に入ったようで、「そう、ピカピカだったわ。今も心はピカピカ」と笑いました。
そして、高揚した顔で、「外側はどんなに変化しても、ずっと心はピカピカ。フォーエヴァーよ!」とまた笑うのでした。
「そうですね。私もピカピカのまま後に続きますわ」と私も笑いました。

「何才まで生きたいですか?」と尋ねたところ、「100歳までは生きたい」としっかり答えてくれました。
彼女の状態を目の前にして、100歳まで生きたい、と仰るその生きる意志の強さに感動を覚えました。

円覚寺の総門入口でもらった入場券裏に書かれていた言葉を思い出しました。

「総力をあげて」
長い人生で時には死にたいと思うほど、辛く苦しい時もあると思います。
そんな時にあなたの足は死のうとしていますか?ちゃんと大地を踏みしめています。あなたの足は死のうとしていない。手も死のうとはしていない。内臓も一生懸命消化しようとしているし、目も同じです。
60兆ある私たちの体の細胞はみな生きようとしている、それが真実です。
「もう死んでしまおう」と思っても体の中では内臓などがいのちを活かそうと絶えることなく働いている。その働きこそ仏様なのです。そんな素晴らしいいのちを今こうして生きているのです。
posted by 幸 at 16:02 | Comment(0) | 傾聴ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年02月02日

人の心って素晴らしい

塀に開けられた猫のための出入口(鎌倉のカフェRiceTerraceにて)
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今日は私が役員として関わっている鎌倉の傾聴ボランティアの会の定例会でした。
昨年末の傾聴ボランティア養成講座を受講して傾聴ボランティアをしたいと思った人たちが新しく加わってくれて、皆さんのやる気が感じられる会になりました。

幾人かの方達に、どうして傾聴ボランティアに興味を持ったのかと尋ねてみたところ、皆さん、それぞれに介護の経験や、介護の末に家族を亡くした悲しみを経験した方達でした。
一番大変だった時、周りの人たちが色々親切にしてくれたことが心に沁みたという話も聞きました。
辛い時期を乗り越える中で、何か人の為に役立つことをしたいという気持ちが自然にわき出てきたというところに感銘を受けました。
辛い状況にあっても、否あったからこそ、人のために何かしたいと思う気持ちは美しいと感じました。
純粋な人の善意、優しさに触れた気がしました。

人の心って素晴らしいですね。
posted by 幸 at 19:14 | Comment(0) | 傾聴ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年12月23日

傾聴者としての準備

さざんかの咲く道
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昨日、傾聴ボランティア養成講座のグループワークで感じたこと。

男性が多いグループでした。
話し合うテーマが用意されるのですが、皆さん、自分の意見を一方的に話すだけで終わり、の人ばかり。話し合いにならなくて困りました。
本当にこの人たち、傾聴の勉強に来たのかな?と不思議な気がしました。

話したいことがいっぱいあって、ただそれを言いたいだけの人って多いように思います。
もしかしたら、普段、十分に話せていなかったり、話しても聞いてもらえてないのではないでしょうか。
言いたいことを十分話せて、きちんと聞いてもらえて、初めてほっとひと息つくことができるはず。

他の人の話に耳傾けて受けとめるには、それだけの心の余裕が必要です。
人の話を聞いた時、人と自分をしっかり分けて捉えられる安定した自分自身の核が必要です。

色んな場面で傾聴が必要だと言われていますが、本当に人の心を傾聴できるようになるには、いつも自分自身を見つめていくシビアな姿勢が必要だと感じています。傾聴は技術ではないのです。

傾聴ボランティア養成講座レジュメに挙げられていた「人間力」
高さ  使命感や志高く目標を持って生きる力
深さ  何事にもなぜ?なぜ?と深く考える力
明るさ 何が起きてもプラス思考で前向きに考える力
広さ  関心の幅を広げて様々なことに興味を持つ力
重さ  静かにどっしりと構えて動じない力


これはなかなか難しい・・・
posted by 幸 at 18:44 | Comment(0) | 傾聴ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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